フィナンシェは寝かせるか寝かせないか

生地を寝かせるか寝かせないかで、焼き上がりや食感に違いがでます。

今まで働いていたお店では、一晩寝かせるところもあれば仕込んで直ぐに焼くところも有りました。

どっちが正解なんだろう?

どう変わるんだろう?

と疑問に思っていましたが、どっちが正しいとかではなく、それぞれ狙いがあったようです。

仕上がりの「表情」と「食感」を左右するので、目的に応じて使い分ける。

「焼きたてのカリっとしたエッジ」を狙うならすぐ焼き、「上品な一体感と深いコク」を狙うなら一晩寝かせる。

いったい寝かせている間にどんな変化が起きているのか?

​① 水和によるキメの安定小麦粉やアーモンドプードルの粒子に、卵白の水分が芯まで浸透する。それにより 生地がしっとりと落ち着き、粘度が増する。焼成時に気泡が均一に膨らむため、「キメが細かく、中がしっとりとした密度の高い食感」になる。​

② 糖分の溶解と再結晶の防止溶け残っていたグラニュー糖の粒子が完全に溶けきる。糖が完全に溶けることで、表面に均一な美しい焼き色がつきやすくなる。​

③ 香りの熟成と油脂の馴染み焦がしバターの香気成分が生地全体に行き渡り、 焼きたて直後よりも、バターとアーモンドの風味が一体化し、「奥行きのある深い味わい」に変わる。

「すぐ焼く」場合の特徴は?​

①エッジの立ち方 水和が進んでいないため、焼成時に水分が急激に蒸発し、「角(エッジ)がより鋭く、カリッとしたハードな食感」になりやすい。

②食感また、 生地が重くなる前に焼くため中が少しだけふんわり軽い口当たりに。

③香りの鮮度焦がしバターの「焼きたての香ばしさ」をダイレクトに感じられる。

どちらも焼き方によってはサクッとしますが、個人的には寝かせた方が厚みのあるしっかりとした角が生まれ、中身はやや弾力のあるしっとりとした状態になり、仕込みたてのほうがカリっと軽やかな角でジューシー、というイメージです。

これからもこういった製菓理論に基づいたお菓子作りを大切にしていきたいと思います。