拘りのフィナンシェ完成間近です。

拘りのフィナンシェ、完成間近です。
何十回も調整を重ねてやっと後1歩まで来ました!
お店では当日焼きの販売予定で、とにかく出来立ての美味しさを最優先。フィナンシェの美味しさは、焦がしバターやアーモンドの香り、しっとりとした口溶けなどあると思いますが、私は焼きたてのサクッとした食感の持続と、ナッツの香ばしさやコク、バターの乳味を第一にどう表現するか研究しました。

(少し長く語ります)
拘りポイント①アーモンドアーモンドは、産地や品種によって「ナッツ感」の強さ、油脂分、香りの質が大きく異なります。私自身、食べ比べるまでは違いなんてそんなに分からないだろう…とたかをくくっていました。
■アーモンドについて✍️
世界には100品種もあるそうです。製菓用で調べてみても、初めて聞く品種も多くありましたが代表的なもの、流通のあるものを取り上げて紹介します。
・ノンパレル種 (アメリカ)
「比類なき」という意味を持つ、最も一般的で多く流通している品種。味わいはあっさり、甘みも穏やか。良くも悪くも「癖がない」のが特徴。割れにくく、生食やトッピングの他、別の素材を主役にしたい時の土台に向いている。
・ビュート種 (アメリカ)
カリフォルニア産の中でも菓子職人に好まれる品種。ノンパレル種に比べて一粒が小さく、その分ギュッと旨味が凝縮されているのでナッツらしい力強い甘みがあり、焼き上がった後もしっかりとアーモンド感が残ります。加熱しても香りが飛びにくい性質があるので焼き菓子向き。
・モントレー種(アメリカ)
細長い大きな形が特徴。味わいはカリフォルニア産の中でも特に油脂分が多いため、リッチなコクがある。風味の強さと粒の形状にばらつきがあるという特徴から、基本的に加工用としてアーモンドスライス、アーモンドプードルやアーモンドペースト、プラリネに用いられることが多い。
・カーメル種(アメリカ)
ノンパレル種の補助品種。味はノンパレル種よりも甘味が強くやや癖がある。熱に強くプードルやローストなど加工向け。(日本では流通が少ないようです。)
・マルコナ種 (スペイン)
スペイン産の希少種で、平たく丸い形。「アーモンドの女王」の呼ばれ、油脂分が多く、芳醇な香りと深いコク、丸みのある甘みが特徴。
・フェランデス種(フランス)
カリフォルニア産のノンパレルが「甘く優しい香り」なのに対し、フェランデスは「ナッツ特有の野生的で力強い香ばしさ」が特徴。ほんのり杏仁のような、そしてわずかな苦味成分を含んでおり「味の奥行き」や「キレ」を生む。高い吸水性と保水性があり、生地の中の水分をしっかり抱え込む性質があるため、焼き上がりがパサつかず、しっとりとした質感を作りやすい。
・アボラ種(イタリア)
形が非常に平たく、尖った楕円形。非常にデリケートで気品のある香りと、しっかりとした甘みが特徴。天然のベンズアルデヒド(杏仁の香気成分)が豊富で、食べた瞬間に鼻に抜ける香りが鮮烈。(イタリアの伝統菓子「コンフェッティ(ドラジェ)」には、この形と香りの良さからアボラ種しか使わないというこだわりを持つ職人も多いとか)
・フィリッポ・チェーア種(イタリア)
油脂分が非常に高く(約50-60%)旨味がとにかく濃厚なのが特徴。味わいは、バターのようなコクがあり、後味に余韻が長く残る。油分が多いため、マジパンや最高級のジェラートのベースに使われることも。
■まとめ
🌟アメリカ産のアーモンドは加工性と安定した品質からレシピの再現性が高いことと、ナッツらしい香ばしさやマイルドな甘味が特徴。皮が薄く、色が明るいため、スライスやダイスなどのトッピング向き。
🌟フランス産のアーモンドはフランスが「自国の菓子のために」こだわり抜いて育てている希少な存在、非常に高価。強烈な芳香と重厚感が特徴。
🌟スペイン産アーモンドは乾燥した厳しい環境の傾斜地などで栽培されるため、一粒に栄養と旨味が凝縮。カリフォルニア産に比べてオイル含有量が多く、非常にしっとりとした質感と甘みとコクが特徴。
🌟イタリア産のアーモンドは天然の「杏仁香」が強いのが特徴。カリフォルニア産は加熱すると「香ばしさ」が出るが、イタリア産は加熱しても「甘い花のようないい香り」が残る。イタリア産はオレイン酸などの良質な油脂が豊富で乳化もしやすく、しっとりした食感に繋がる。

産地や品種により特徴があり表現の仕方が変わるなと実感しました。
この中からフィナンシェには「カリフォルニア産ビュート種」のアーモンドを選び、皮付きのままローストして粉砕することで風味とコクを強調しました。
サクっとした食感や素材の風味の一番美味しい瞬間を味わってもらえるように商品化を進めています。焼き時間も焼き方もバターも、拘って作っているので皆さんに食べてもらうのが今から楽しみです。

